緋女 ~前編~
駆け寄るように窓の方へ行き、私は絶望した。
たいてい、嫌な予感というものは当たる。
なぜか?
それに心当たりがあるからだ。だから予感する。
でも想像を超えることはよくあるだろうか?
私にはなかった、___今までは。
でも昨日から私の朝はいつものそれではない。
もう何だか逆にここまで来ると面白くなる。
眼下に広がる海辺の城下町と広い城の庭を見下ろしてそう思った。
「もう訳が分からない」
分かったのは本当にここは密室で、謎の男と二人きりだということだけ___。
そしてその声は突然ふってきた。
「お目覚めのようで、レヴィア様」