緋女 ~前編~
やはりそれにも彼らの答えはない。
だから、適当に自分で結論づけた。
「まあ、王子やケイのことなんだろうけど」
どっちが特別、とかいうわけじゃなくて。
ケイと王子どっちも私の特別。
「……我が乙女、今日はもう遅いぞ」
「そうじゃ、そうじゃ」
一人で納得しているとそう二人がそう騒ぎ出した。私も疲れているから、影である彼らも多少は疲れてるのかも。
手袋に表示された時間を見て、私もその通り寝る時間だと頷いた。
「うん、お休みなさい」
また明日の約束は彼らには必要ない。
未来永劫、彼らは私の傍らにある。
生きるのも死ぬのも一緒。
そういう関係が私を安心させる。
私はゆっくりとした眠りに落ちていた。