緋女 ~前編~



どれくらい時間が経っただろうか。



よくよく考えれば
ベットの位置に対していつもと朝日の差し込む方向が違っていた。

それに自分のベットよりずっとふかふかだったし、
目覚まし時計がならなかった。

布団が重いにしてもそうだ。



なぜ気がつかなかったんだろう?


大体こんな天蓋付きベットがあるか、という話だ。

ピンクのレース。
小さな、でもこれでもかというような宝石があしらわれて、でも決してゴテゴテと主張し過ぎないこれ以上ない完成度。
上品な可愛らしさ。



とてもこんな場所では眠れない。



………寝てたけど。



でも

なぜ私はこんなところで寝ていて、この男は誰なんだ?



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