ハートに触っちゃダメです!
「やっぱり、なんだかんだ言っても・・・」

鏡を見ながら

「気にしてるんじゃん・・私ってば。」


顔が薄っすらと赤くなってる。

さっき手を握られてたせい?


「違うよ!

トイレ探して歩き回ったからだってば!」


顔が赤いのはそのせい・・・

自分で自分に言い訳?


「なんで言い訳しなきゃなんないのよ?」


トイレで完全にひとり言の嵐!




「お~い、浅見まだかあ~!」


うわっ!

最悪!待ってるし!呼んでるし!



廊下の壁にもたれ掛かって待ってた丸瀬先生。



「待ってなくていいって言ったんですけど!」


そのまま

丸瀬先生の前を通り過ぎようとして



ガシッ!

って

また

手を握られ


うっ・・

それだけで

また、ドキドキが再発


って思ったら



「大か?ちゃんと手ェ洗ったよな?」


ドキドキどころか頭に血が上った。



聞くなっ!

だったら手を離せっつーの!



「洗いましたっ!ってゆ~か大じゃありませんからっ!」



もーーーーーーっ、イヤ!サイテ~!

だから大人の男って・・・


いや

大人の男じゃなくって


おっさん!



丸瀬先生なんかただのおっさん


デリカシーのかけらも無い。

こんな人が『運命の人』だなんてあり得ない。






絶対に丸瀬先生なんか好きにならない!


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