ハートに触っちゃダメです!

「やっぱり光先生って浅見にばっかからむよね?」


朝のホームルームが終わって丸瀬先生が教室を後にするとすぐさまゆりちゃんが振り向いて言った。


「そ、そうかな?」

「そうだよ。怪しくない?」

何を怪しいって?

「怪しくないよ?」

平静装っても

「浅見も光先生が好きって言わないでね。」


カバンから出そうとした教科書

思わず手から滑り落し

動揺?




ゆりちゃんに『好きって言わないでね』って言われて



『好きじゃないよね?』とか

『好きとか言わないよね?』とか


確認するんじゃなくて


『好きって言わないでね』って・・・

それって命令じゃない?


言うなって・・好きになるなって・・・クギさしたってことでしょ?


好きだって言えないってこと・・・だよね?



いや・・・『好き』って言うつもりは・・・

でも・・・


なんだろう?イヤな感じがして・・・



「ゆり・・ちゃん?」


教科書拾い上げてゆりちゃん見たら


「浅見は、私にウソなんかつかないもんね?」


ニッコリ

笑顔

私に見せて



授業が始まり

ゆりちゃん

そのまま・・私に背中を向けた



気にすることない

かも知れない


けど・・・

何か・・不安?





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