ハートに触っちゃダメです!
丸瀬先生の実家から少し離れたところ

車が停まると

「じゃあな。」

って丸瀬先生


「ありがとうございました。」

って私


でもまだ降りないで

「あ、あの・・・実家

顔出さないんですか?」


「出さない方がいいだろ?

つ~か

レイカさんに会いたくないし」

そう・・・だよね?


「あ、あの・・・

実家の整備工場のことは?」


あの日

更地になってしまった整備工場跡地に私たち行った。


覚えてる?思い出さない?

それから私たちレイカさんの喫茶店で働いて雅さんに会ったのもその時で・・・


「ああ、まさか工場閉鎖してメイド喫茶と執事喫茶なんかやってるなんて俺にしたら青天の霹靂

おまけに店まで手伝わされたんだったな・・・・」


ほら

思い出した?


その時いたの

私が一緒にいたの


期待を込めて

だけど

「そう言えば・・・うらら・・・」

「うららが?弟さんがどうしたの?」

「うららが弟ってことも知ってるんだ。

会ったこともあるってこと・・・・だよな?」


全然ダメ


丸瀬先生の記憶の中に

私は存在しない


あきらめて車から降りようとすると


「悪いけど

期待しないでくれ。」


丸瀬先生が言った。

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