【短】流れ星に恋をした




「ん〜…特におかしいところはないね」


医者の口からは、そんな言葉しか出てこない。




「このCTも綺麗だし」


頼んで頭のCTも撮ってもらったんだ。


「じゃあ俺は何がおかしいんすかね…」


「う〜ん…肉体的なものではないようだね。疲れをためたりしてないかい?」


医者はペラペラよく喋った。


でもどれもパッとしない。




こんなときにも考えるのは昨日のこと。




不思議なぐらい鮮明に覚えてるんだ。




あのときの回りの音…


におい…


全てを覚えてる。
< 21 / 49 >

この作品をシェア

pagetop