【短】流れ星に恋をした
「ん〜…特におかしいところはないね」
医者の口からは、そんな言葉しか出てこない。
「このCTも綺麗だし」
頼んで頭のCTも撮ってもらったんだ。
「じゃあ俺は何がおかしいんすかね…」
「う〜ん…肉体的なものではないようだね。疲れをためたりしてないかい?」
医者はペラペラよく喋った。
でもどれもパッとしない。
こんなときにも考えるのは昨日のこと。
不思議なぐらい鮮明に覚えてるんだ。
あのときの回りの音…
におい…
全てを覚えてる。