【完】告白のスカイラウンジ
告白のスカイラウンジ

イベントのフィナーレの花火は、冬の乾いた空にパッと色鮮やかに広がった。

大きな光の広がりは、仕事が終わった後の解放感といった感じで私の心をいつもよりも満たしてくれるように感じた。


展示ブースの中の電気ストーブで暖を取りながら桜木町の大きな観覧車の時計を見ると、8時を回っていた。


今年も残り四時間。


いつもなら興奮を感じなくなった年越しなのだが、今日は何か特別なことがしたいという気分になっていた。

隣のパイプ椅子に座る後輩の相葉君は、興奮している私とはまったく正反対で、眉間に皺を寄せながら手帳のカレンダーを見つめて、なにやらぶつぶつと呟いていた。



「相葉君、今年最後のお仕事お疲れ様」



「いえ!僕こそ最後の最後まで森田先輩と一緒に働けて幸せでした!」



見ていた手帳をパタンと閉じて、座ったまま私に体を向けた相葉君は、深々と頭を下げた。



「幸せだなんて大袈裟な」



「いえ、これは本音です」



「相変わらず私のことリスペクトしすぎだよ」

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