【短編】俺の彼女は宇宙一可愛い。
ふんふんふーん、と隣から音の外れた鼻歌が聞こえる。
相変わらず下手だなぁ。
「何の歌?それ。」
普通にたずねただけだったのだが、意外にもむっとした顔を向けられた。
「えーっ、わかるでしょ、これ。今流行ってる映画の主題歌だよ?」
そう言ってまたふんふん、とやりだす。
んー……そう、か?
聞いてもいまいちわからない。
微妙な顔つきをしていたのだろうか、彼女の肘が俺の脇腹に炸裂した。
「ってぇ!何すんだよ!」
予期せぬ襲来に思わず涙目で睨むと、彼女はふんっと顔を背ける。
「きみが意地悪するからでしょーっ」
意地悪……じゃなくて本当に思ったけど。
ぷんすか、と擬音が聞こえてきそうな感じで頬を膨らませながらも、繋いだ手をぎゅっと固く握って離さないのがどうしようもなく可愛い。可愛すぎる。