【短編】俺の彼女は宇宙一可愛い。
やっと俺達の順番が回ってきた。
それぞれ賽銭を投げ入れる。
「一礼二礼、ぱんぱん、一礼、だよ!」
「………………そんなこと知ってんだよバカ」
「バカって言った!バカって!」
いや、だって……なぁ?
ぱんぱんってなんだよぱんぱんって。
二拍手って言わないのかよ可愛すぎだろ。
不意打ち過ぎだわ。
まさかここでそんなの来ると思わなかったわ。
彼女はしばらくこちらをリスのように頬をふくらませて恨めしげに見つめていたが、後ろがつかえていることを思い出したのか、慌てたように手を合わせた。
俺はその横顔をしばし鑑賞する。
肩で切りそろえられた柔らかなダークブラウンの髪が風に煽られてふわりと彼女の顔周りを彩る。
いや、うん……可愛いな。