【短編】俺の彼女は宇宙一可愛い。
願い事を言い尽くしたのか、彼女が顔を上げた。
当然、俺とばちりと目が合う。
「おーい、きみ、ちゃんとお祈りしたの?」
「……」
「してないよねー、もー!せっかく来たのに!」
ぷんすか、と階段を降りていく彼女の背中に俺は呼びかける。
「お前、なにお願いしたの」
その声に彼女は振り向いて、拗ねたようにごにょごにょと呟いた。
「……ずーっと、一緒にいられますように、って。
でも、きみはそんなことお願いしようとも思わなかったんでしょ!」
彼女の目が潤んでいるのは気のせいではないだろう。
ぎょっとした俺は、確実に動揺した。そのまま口を開く。
「違う、そうじゃない。
今が幸せすぎて……願うことが見つからないんだよ。
それに、そんな願い事しなくたって、俺はずっと一緒にいるつもりだけど?」
焦ったのか、俺は思っていることを垂れ流してしまう。