Blue Snake
それはいつもの日常で
煙草の匂いが鼻孔をくすぐった。
私はいつもと何一つ変わらない店内を見渡す。
(あ、あそこの灰皿いっぱいになりそう)
(あの机、ドリンクの氷変えた方がいいな)
1つ1つの机を眺めては仕事を見つけていく。
ここはキャバクラ【桜花】
キャバクラとは、キャバ嬢と呼ばれる女性が客席に付き接待を行う飲食店のこと。
私はここでキャバ嬢ではなく、そのサポート係の黒服として働いている。
ここら辺の中では1番大きいキャバクラ。
まぁ、それなりに儲かってる。
その証拠に店内には深夜に関わらず人が溢れていた。
女の子の猫なで声に、男の笑い声が響き渡る。
天井にはキラキラとミラーボールが光っていた。
外の喧騒とはまた違う喧騒。
まるでこの空間だけ現実と切り離されたような気持ちになる。