もし、君のことが好きと言えたなら。
#1
【春うらら】ー。
まさにこの言葉がぴったりと当てはまるような、昼下がり。
気持ちのいい気候に眠気を誘われ目を擦りながらも必死で午後の授業を受ける私、柵木 梓(ませき あずさ)。
2年生になって新学期も始まり、やっと落ち着いてきた4月下旬。
全開に開けられた窓からは心地のいい風がそよそよと、私の頬を撫でる。
それがまた気持ちよくて、窓際の一番後ろという俗に言う【神ポジション】を獲得した私は、ここ最近毎回睡魔との戦いが続いていた。