白い狐は出会いの季節
[真唯side]
不運だ。全く以て不運だ。
「ちょっと待ってください」、そう言って桜井さんと別れ、購買部へ、
目的の物が珍しく売っていたので桜井さんの分も買って、戻ろうとした所で、
「おい。そこののろま。」
...これだ。
早く桜井さんの所に戻りたいのに。
ほかの族に捕まっている場合じゃないのに。
「僕はのろまじゃないです。ちゃんと名前があります。そこを退いてください!」
後半を強めに言って立ち去ろうとする。
「あんだとっ!??!」
普通の生徒より大きな手がボクの肩を掴みそのまま向かっていた方向とは逆方向に突き飛ばす。
突然の事に抵抗できず、体育館がある建物の壁へとぶつかる。
「ひゅっ」、予想以上の衝撃に一瞬呼吸が止まる。
そのまま気管が詰まったのか咳込む。
「ゲホッ...ガハッ...ゔ...。」
「やっぱりのろまじゃねーか。」
顔をあげれば男子生徒の顔が並んで見える。
...確か、『曇天』っていう族のメンバーだったっけ?
少しクラクラする意識で考える。
「前から少し気に食わなかったんだよっ...!!!」
前に出てきた男子生徒は僕を睨む。
「どこの族にも入ってないってだけでいつもいいこぶりやがって。」
「マジな。」
「ほんと目障りだわ。」
「何?俺らの事馬鹿にしてるわけ?大人の言う事聞かない俺らを馬鹿にしてるわけ?」
ジリ...ジリ...。
男子生徒との距離は縮んでいく。
「そ、そんな事っ...!!」
思ってない、そう言おうとしたんだ。
不運だ。全く以て不運だ。
「ちょっと待ってください」、そう言って桜井さんと別れ、購買部へ、
目的の物が珍しく売っていたので桜井さんの分も買って、戻ろうとした所で、
「おい。そこののろま。」
...これだ。
早く桜井さんの所に戻りたいのに。
ほかの族に捕まっている場合じゃないのに。
「僕はのろまじゃないです。ちゃんと名前があります。そこを退いてください!」
後半を強めに言って立ち去ろうとする。
「あんだとっ!??!」
普通の生徒より大きな手がボクの肩を掴みそのまま向かっていた方向とは逆方向に突き飛ばす。
突然の事に抵抗できず、体育館がある建物の壁へとぶつかる。
「ひゅっ」、予想以上の衝撃に一瞬呼吸が止まる。
そのまま気管が詰まったのか咳込む。
「ゲホッ...ガハッ...ゔ...。」
「やっぱりのろまじゃねーか。」
顔をあげれば男子生徒の顔が並んで見える。
...確か、『曇天』っていう族のメンバーだったっけ?
少しクラクラする意識で考える。
「前から少し気に食わなかったんだよっ...!!!」
前に出てきた男子生徒は僕を睨む。
「どこの族にも入ってないってだけでいつもいいこぶりやがって。」
「マジな。」
「ほんと目障りだわ。」
「何?俺らの事馬鹿にしてるわけ?大人の言う事聞かない俺らを馬鹿にしてるわけ?」
ジリ...ジリ...。
男子生徒との距離は縮んでいく。
「そ、そんな事っ...!!」
思ってない、そう言おうとしたんだ。