白い狐は出会いの季節
「おめぇらマジなんなんだよっ!?曇天の事馬鹿にしてるわけっ!?!」


「おい!仲間の仇とるぞっ!!」


残った2人は同時に身構える。



...どうする?挟まれて攻撃されたら勝ち目はない。



ん?いや挟まれて攻撃されなくても、普通のパンチできっと私ノックアウトだけど。




そんな事考えていると、私達のとは違う足音が聞こえた。




「...ったく、この学校も不良だらけになりやがって。」



愚痴を漏らしながら、歩いてくる人。




あ、これはチャンスかもしれない。



「城内先生っ!!!」


私は声を張り上げた。


やって来た人影は城内先生だった。


朝と変わらずやる気無さそうな雰囲気だ。




城内先生は私達に気づいた。



「ん。桜井か?どうした。」


城内先生が近づいてくる。




「この男子達がいきなり襲いかかってきたんです...。助けてくださいっ!!!!」



「なっ!?」



「おい!てめぇっ!卑怯だぞっ!!!!」


男子の声が聞こえる。



卑怯などと気にしている場合じゃない。こっちは身体に危険が迫ってたんだ。




「あー...。ったく、不良だらけの学校でも典型的ないじめはあるんだよなぁ。おいお前ら。曇天っていうメンバーだろ。後で職員室な。」



城内先生は手帳にメモしだした。


男子はうろたえたままだ。




「行こ!真唯!」


私は真唯の手を引いた。


逃げるなら今だ。



「え、あ!さ、桜井さんっ!」




真唯を強引に引っ張ってさっきの勉強教室に戻った。
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