白い狐は出会いの季節
帰り道。


真唯とはなれた瞬間、頭の中が一気に冷静になった。



この地域には暴走族、不良グループがいるんだ...。


まるで、漫画やドラマの話だと思っていた。


だが、今日の昼の出来事を思い返すと自分には関係ない話とは言えないのだなと実感してしまう。


「『曇天』って、知ってますか?」


真唯の真剣な言葉が脳裏に流れる。



「一応この学校の周りは曇天のシマ...ナワバリ?になってます。あとここの地域のNo.1の実力をもっています。」



ここの地域に昼のような危ないヤツら、『曇天』がいるんだと思うと。


「...。」


やっぱり怖いな...。


しかも私曇天とか言う男子生徒を先生にチクったんだよな。


...絶対恨まれてるよ。


本当に嫌な予感しかしない。


早く家に帰ってしまおう。


そう思って足を早めた。







...その時だった。






「おい。昼の転校生。」





肩を掴まれ行く手を阻まれたのは。
< 21 / 121 >

この作品をシェア

pagetop