白い狐は出会いの季節
「...学生さん?ふふ。大丈夫だった?」
その人物を見た。
抱いた印象は。
なんだこのチャラ男は。
天パ?なのかは知らないが、短い髪がくしゃっとなっている。
髪の毛の先端の方は少し色が変わっていて、夕日の色が映り、少し赤みを持っていた。
顔は整っている?のか?まぁ、きっと普通の男性よりはイケメンに分類されるのだろう。
あ、この人男だ。体全体が細いから、男か女かわからなかったよ。
「たいした怪我は見られないね。じゃあこっちの男子生徒は...。」
その男は小さいガレキの山をかき分け、男子生徒二人を引っ張り出した。
「あ、脈はちゃんとあるね。よかったよかった!最近の高校生は元気だねえ。」
そして、自分が乗っていた車に視線を向けた。
「おーい!大丈夫だったよ。怪我人もなし!こっちの男子生徒は気絶してるだけだからね。」
男は車の後部座席に向かって話しかけた。
後部座席に乗っていた人の影が若干動いた。
そして、ドアを開けた。
「なにが大丈夫ですか!!!!また電信柱も粉々で、男子は気絶してしまっているじゃないですか!!!!」
出てきたと同時に怒声を飛ばした人物は、私の知っている人物だった。
「...真唯。」
「あぁ、ごめんなさい!!あの人まだ運転に慣れてなくて......。...え??」
真唯は言葉の途中で下げていた頭をあげ、私を見て目を見開いた。
「やっぱり真唯!!!」
「え?え?桜井さん???!!え?!」