白い狐は出会いの季節
ここまでの出来事をまとめてみようか。
あまりに日常とかけ離れた事が起こるものだから、正直に言うと私も混乱している。
まず、今日の学校の昼休みで絡んできた男子生徒が仕返しに殴りかかってきた。
殴られる。と思った私は何も出来なかった。
そこに飛び込んで来たのは、
助けに来てくれたヒーローでも、凛としたヒロインでもない。
この、
「もう、これで何回目ですか?!何回車事故らせれば気が済むんですか!!??」
「いいじゃない。どうせ安い中古車なんだし。」
「僕達が良くないです!!!」
この男が運転する白い軽自動車が突っ込んできた。
どうやら男子生徒は車に跳ねられたのではなく、崩れた電信柱のガレキに頭をぶつけて気絶したらしい。
頭にこぶができている。
まぁ、私は奇跡的に助かったわけだが。
問題はこの男だ。
今日知り合ったクラスメイトはまだいい。むしろ嬉しい。
真唯と一緒にいるチャラ男だよ誰だよ。
地面にへたりこんだままの私をよそに、真唯とチャラ男は言い合いを始めた。
その光景は、私がこの状況についていけてない事がひと目でわかる光景だ。