白い狐は出会いの季節
「...あの。」
やっとの思いでかけた言葉。
その声は疲れていた。
「ん?あれ?君まだいたんだね。何かな?高校生。」
少々、いやかなり頭にくる口調だが、一応命の恩人?だ。
ここは感情ぶちまけたいのを我慢しよう。
「一応、助けてくれたんですよね?あの、ありがとうございます。おかげで助かり?ました。」
どう見ても男は年上にしか見えないので思わず敬語になった。
「ん?助かった?なんで??」
男は混乱したようだった。
ん?やはり私を助けに来てくれたわけではないのか?
じゃあ、この男子生徒はただ巻き込まれただけ?
この男はただ突っ込んできただけなのか??
「.........。」
「やだなぁ。そんなに嫌そうな顔で睨まないでよ。」
「...。...あ!」
真唯は男子生徒の方を見て声を上げた。
どうやら気づいたらしい。
「この男子達、昼の奴らですよね?!」
「は?昼?どういう事?真唯。」
「あ、はい。実は...。」
真唯が男に説明し始めた。