白い狐は出会いの季節
「みんなーただいまー。」
「十七夜さんがまた車壊しました。」
「ちょ、真唯!ガラスだけ変えて隠そうと思ったのに!」
中に入れば、長髪の女と、いい年してるオジサンが顔を上げる。
「は?また事故ったわけ?もう一回免許とりなおして来なさいよ。」
女の毒舌な言葉が飛んできたね!
「......。」
オジサンは黙ったままだよ!
まぁ、いつもの事だから逆に安心しちゃうよ!
あぁ、紹介をしないとね。
暗い茶髪のロングヘア、前髪が長くて目が見えない時もある、この女の人。
寒河江 麗(さむかえ れい)って言うんだ!名前も顔も一応美人だよ!
「もう安い車でも買えないから。」
「わかってるってば!だから窓ガラスだけ変えて乗り続けるよ。」
「どうだか。」
常にパソコンの前にいるね。まぁ、彼女は頼れるハッカーだからね!
ここら辺の情報は知り尽くしているらしいね。
そしてうちの組唯一の子供。
「しかも、めんどくさい族に手を出してしまいました十七夜さんが。」
「ねぇ、僕ってこと強調するのやめない?曇天だって知らなかったんだってば。」
日向 真唯(ひなた まい)。女の子見たいな名前だし、見た目も可愛いから、正直心配になるけど、僕に対してものすごく冷たいし意外と強い子なんだよね、いろいろと。
「相変わらず光は気楽ね。」
「曇天って今は武器も使うらしいですから、面倒事起こさないでください。」
「酷いなぁ。僕がそんな馬鹿に見える?」
「見えるわ。」「見えます。」
そしてこの僕。十七夜 光(かなぎ らいと)!
皆からは変人に見える、だとか、救いようのない馬鹿だとか、花楓ちゃんからはチャラ男なんて言われるけど、
やだなぁ。僕の事ちゃんと見てよ?ほら、こんなにイケメンじゃない?
え、ナルシスト?自意識過剰?!