白い狐は出会いの季節
「げええええ」
まるで蛙が潰された時のような声がした。
扉を開けたら、目の前に若い男がいた。
何やら首を掻きむしっている、足は地面に付いておらず、何かで吊るされているようだった。
ん?...いや、違うね。
男の表情を見ると目は白目を剥いている。
僕らが立ちすくんでいる間に男の顔は青紫になっていく。
「ひぎぎぎぎ」
酸素を求めて、長い舌が口から垂れ下がる。
やがて剥き出された白目が、眼球が、血の色に染まっていき、