白い狐は出会いの季節
「......。」
バケモノは黙っていた。
元気と明るい性格を象徴していたあの子のポニーテールは解けて、濃いめの茶色の髪が肩にかかっていた。
相変わらず、男の首を締め上げる事に夢中で僕の言葉なんかには見向きもしない。
「あ、あ、.........。」
男もそろそろ限界みたいだね。
「ねぇ、こっち向きなよ。いつまで強い子ぶってるつもり?言ったよね、君は普通の女子高校生だって________。」
バシッ、
何かが目の前を横切ったと思うと、
右手に強い衝撃を受けた。