白い狐は出会いの季節
「...。」
だんまりを続けるバケモノに若干イラつきながらも、声をかけ続けていく。
「花楓ちゃんでしょ?何、曇天のメンバー一人で潰したわけ?」
「...。」
「あのさっ!!!!!」
グイッと、顔を上げる。
バケモノと目が合う。
...。何も無い。殺気も、オーラも、
花楓ちゃんの面影も。
その虚ろな目は何も映さなかった。
ただ、僕を見ていた。睨んでいるわけでは無かったけど、でも、目線を逸らせなかった。