白い狐は出会いの季節




「...。」




スッ、とバケモノが動く。



ビクッ、と僕の身体が肩から大げさに反応した。




アザだらけ、手錠付きの腕を伸ばしていた。




人差し指をピンと立て、何かを指さしている様にも見える。




「は?何?」



僕の事?そう思ったけど少しずれている。



じゃあ、僕の後ろ?




ほんとに何考えてんのか分かんないわこのバケモノ、そう思いつつ渋々後ろを振り返ろうとした。



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