白い狐は出会いの季節
「もうこれ以上面倒事起こさないためにさっさと帰るよ。ほら真唯。帰るよ。」
「...。」
...?真唯の様子がおかしい。
顔が青白くなっている。さっきの車の中の時みたいに。
しかも、目線は僕じゃないどこかに向いている。
もっと奥。僕の後ろ。
大体予想はついているけど。
「だから早く帰ろってば!真唯も、花楓ちゃんも!!」
若干声を荒らげてしまいながらも、僕は帰るように促した。
バタッ。
誰かが倒れる音がした。
後ろを振り返ると、さっきまでバケモノだった花楓ちゃんが倒れていた。
「...!?桜井さんっ!!!」
真唯はすぐに花楓ちゃんの傍に駆け寄った。