白い狐は出会いの季節
ぼんやりとでも、景色はハッキリしてきた。
一言で言うなら、地獄絵図みたいな景色が飛び込んできた。
でも、あまりフィクションじみてて、
信じるに信じられなかったけど。
その、地獄絵図のなかにさっきの男の人と。
(あ、あぁ。真唯。真唯だ。)
何故か真唯だけ認識することが出来た。
なんで真唯がここに?助けに来てくれた?どうしてこんな地獄みたいな所で座ってるの?
聞きたいことはいっぱいあったけど、頭の中に溢れるだけで、声には出なかった。
「…………。」
それより、真唯、少し顔が青白くない?
いや、そんな事じゃない。私が今思っているのは。
なんでそんな目で私を見るの?