白い狐は出会いの季節
「……ってまあ!混乱するのも無理ないか!実際試したほうが早いかもね!」
十七夜さんは急に声を明るくして、偽物の笑みを浮かべた。
思わず、息をのんで、私は硬直した。
「た、試すって……何を?」
明らかに嫌な予感しかしないが、あえて聞くことにした。
「んー。簡単なゲームみたいな感じだよ!
すっ、十七夜さんは懐に手を入れて何かを取り出した。
「…………は?」
銃だ。拳銃。
この国では持つことすら犯罪になっているはずの、
「今から3秒カウントするよ?
0になったら撃つから、君が無傷で生き残れたら勝ちね!ちなみにこの銃の弾数は6発!威力はそんなに無いはずだけど
……まあ当たんなきゃ痛くないから!」
まるでジャンケンのルールを説明するぐらいに淡々と話していた。
待ってよ
理解できない。
「ねぇ!真唯!この人変だよっ!?」
「…………。」
「ねえってば!!!!!」
突然始まる理不尽なゲームに私はまたパニックになる。
さっき、命の危機を救ってもらった人に、
殺されてしまう?
誰か助けて……?