白い狐は出会いの季節
「ゼロ!」
まるで好奇心旺盛な子供みたいな無邪気な声で、トリガーに指をかけ、躊躇なく引いた。
それを何処か他人事のように見ていた。
バン!!!!
1発目。
ギリギリで避けたらしい。
地面を蹴って私の体は弾を避けていた。
そのまま体勢を崩さず、次に備える。
流れるような動きを、ビジョンに映し出された映像のように見ていく。
期待したとおり、そんな満足気な表情を浮かべる十七夜さん。
呆然と立ち尽くす真唯。
目を見開く女。
全てを理解しきったように、頷くおじさん。
みんな、私に驚いてる。
バン!!……バン!!!!
2発目、3発目。
次々と、打っていくが、その全てを私は避けていく。