小さな二人



・・・・なーんだ。誰もいないじゃん。



「電気消しますよー・・・」


電気のスイッチをパチッと消した後の微かな音を、私は聞き逃さなかった


なぜならその音は私が愛した愛しい音だったから


「だから電気消そうって言ったじゃん!」


「ばれてなかったから大丈夫だって
・・・それより、ほら・・・」


「もう・・・」







「「隆・・・?」ったら・・・」






電気をつけなくても分かった


隆の表情も分かってしまった


きっと、向こうも私の表情が見なくても分かっていたと思う。


その場から動けないでただ立っていた私


なぜか近くにいた女の子は、カーテンの裏に隠れごそごそと動いている


一体そこで何をどうしていたのか


思考が追い付かない


とにかく、離れなきゃ


ここから、早く・・・・!!



「・・・ご、ごめんなさい・・・!!」


そう言って走り出した


のは私じゃなくて胸元のYシャツがはだけたままの可愛らしい女の子だった


それを見た瞬間に私は自然と走り出していた


体育館に向かって走り出していた


暗かったから、顔よく見てないし、私の勘違いかもしれない


今行って隆がいたら、さっきの人は隆じゃないし


どうか嘘でいて、



どうか――――





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