小さな二人
「あーーーーーー!!!!!」
ビク!!!
教室の扉の方から聞こえた叫ぶ声に思わず振り返る
「こんな時間に何やってんの?もう正面玄関閉まるって!
ごめーん!まだ人いた!先行ってって!」
「おー」
「あ・・・ごめんなさい、すぐ、でますから」
「いいよいいよ!」
そう目をクシャっと細めて笑うのは、確かバレー部のキャプテン・・・
バレー部で一番背が小さいのに、キャプテンだっていうので一時期噂になってたっけ
「しかし偉いなー!こんな時間まで課題?」
「え・・・」
「それ、文化祭のブーケのデザインじゃない?」
そう言いながら私にゆっくりと近づきひらりとデザイン画を手から奪った
「ちょっと・・・!」
「すげー!細かいなー!」
さっきまでは細かっためなのに丸くキラキラとした目に代わっている
「でもこれ、失敗作だから」
「なんで?こんなに上手にかけてんのに!」
「なんでも!」
もう!今は放っておいてよ!
心の中でそう言いながらデザイン画を彼の手から取ろうとした
「だめだよ」
そう言いながらひらりと私の手をうまくかわし
「元気になれるデザインじゃん、俺この色好き」
と、真っ直ぐ私の目を見て言った