【短編】恋のおわりとはじまり
「やっぱ一番上は気持ちいいっ」

そう言って気分を紛らわそうとした。けどダメだった。

顔は笑ってるはずなのに、目からは涙がぽろぽろ落ちてくる。

今まで胸にたまってたものが一気にあふれ出したような感じ。

こんなに苦しい想いをするんなら、恋なんてしない方が良かった。

でも。

やっぱり忘れられないよ。

あんなにキラキラしてたんだもん、忘れられるわけがない。

告白……ぐらいしたかったなぁ。

でもそんな勇気なんてないし。

恋……私には向いてないのかも。

そう思って泣いてた時。

ありえないはずの、ここには居ないはずの人の声がした。

この前までこの声を聞くだけで心がドキドキしてた。

今は……今もドキドキしてる。

ちょっと違う気もするけど。
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