【短編】恋のおわりとはじまり
「そのままの意味だよ。絵梨から告白されたのは確かだけど、オーケーしたわけでもないし。何? 噂になってるわけ?」

は? え? 付き合ってないってことは……あれは嘘だったの?

「え、だって朱希は付き合ってるって言ってたよ?」

「……朱希かよ。何であいつの話信用するかな。とにかくそれ嘘だし。朱希のヤツ今度ちゃんと言っとかないとな」

「え? ちょっと待って。朱希とはどういう関係なわけよ」

「は? お前知らない? 俺と朱希はイトコだよ」

嘘、ちょっと話が分かんない。

夏輝は絵梨と付き合ってなくて、夏輝と朱希はイトコだと?

聞いてないし。

なんか絡まってた糸が解けたみたいになったところで、何で夏輝はここにいるのかって言う疑問がでてくるわけで。

「じゃ、もっかい聞くけど、なんでアンタはここに居るの?」

「……それは……さっきも言ったじゃねーか」

「聞いてないよっ。で、何で来たの?」

「……ちっ。仕方ねーな。もう言ってやる。俺はお前のために来たんだよ」

「私のため? って何?」

「あーもーだからっ」

そう言っている夏輝の顔が初めて赤いことに気付いた。



「俺はお前が好きなんだよっ!」



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