御曹司と愛されふたり暮らし
「女の子たちと遊んでた過去があったっていいよ。ハルくんはハルくんだもの」

「花菜……」

「でもね、ひとつだけ約束して。今度からは、できる限りでいいから、もう少しだけ、ハルくんの本音を、気持ちを、私に聞かせて」

「……うん」

「苦しんでることがあるのなら、私にもっと聞かせて? もちろん、本当に言いたくないことは言わなくてもいいから……」

「……ありがとう」


彼の唇が、私に近づく。

私も、そっと目をつむる。


重なる唇。

それは、いつものようにそっと離れて……


と思ったら……。



「んっ……!?」

離れた唇は、また触れ合って。


口の中に、彼の舌が入ってきた。


初めての感触に、思わず驚いてしまう。


「んっ……んぅ……」

「はっ……花菜……」

「んぅ……」


どうしよう。息が苦しい。それなのに全身の力が抜けそう。この不思議な感覚はなに? 頭の中が沸騰しそう。


そのまま、ハルくんによって私はソファに押し倒される。

唯くんに押し倒された時のような恐怖は、微塵もない。


「ハルくん……?」

「いい?」

「え?」
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