御曹司と愛されふたり暮らし
ハルくんは言葉を続ける。

「だからあの合コンで思いがけず再会できた時、すごくうれしかった。うれしすぎて……いろんな気持ちがセーブできなくなった。
ケガのことを謝ることができなくて後悔してた気持ちや、告白できずにいた後悔の気持ちが……」

「告白……?」

「本当は、小学校の卒業式の日に告白しようとずっと思ってたんだ。ケガさせちまったし、卒業式も花菜は来られなかったからそれどころじゃなかったけど……」


そう、だったの……?

まさかハルくんも、私のことをそんなふうに思ってくれていたなんて……。


あのころの私が仲良くできていた男の子はハルくんだけだったけど、ハルくんはほかの女の子たちとも仲良しだった。むしろモテていたのに。


私のことを、好きでいてくれてた……。


卒業式の日、本当は私も告白したかった。

絶対にフラれると思っていたけど、それでも自分の気持ちを伝えたかった。

実際は告白は叶わなかったけど……もしあの時に自分の気持ちを伝えられていたら、私たちは両想いだっだっていうことがわかったんだ。

そしたら、彼氏彼女になっていたのかな?
中学校はお互いに別々だったけど、放課後に制服デートしたり、休日にお買い物デートしたり、ほかにも……。


……なんて、十年以上前のことをそんなふうに考えたって、意味がないよね。



……だけど。


「……ハルくん。さっきはひどいこと言ってごめんね。相手にされない方がマシ、なんてウソだよ。本当は、ハルくんが私のためにいろいろしてくれたこと、本当にうれしかった」


この気持ちは、ちゃんと伝えなきゃ。
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