御曹司と愛されふたり暮らし
「そんなわけで戸山さん。来週の日曜日までにはこの部屋を開けてくれるかい?」

「えええっ! 急!」

「仕方ないんじゃよ。次の人が入ってきてしまうから」

大家さんはそう言って、さっさとその場を去り、どこかへ出かけていってしまった。


いや、仕方なくないでしょ! いくら誤解があったからとはいえ、そんなこと!


だけどハルくんは隣で、

「俺の言い方にも問題があったな」

と言って、この状況を納得しているのか、うんうんとひとり首を縦に振っている。


「ちょ、ちょっと! 納得しないで! だって私、来週からどこに住めばいいの!?」

そう言うとハルくんは冷静に、

「こうなったらもう仕方ないだろ」

と答えた。


仕方、ない、というと?


それは、やはり?



「代わりの家が見つかるまでは、もう少し同居続行だな」

彼にそう言われ、私はウソでしょ!?と声にならない叫び声をあげた。


極上マンションでの、極上な彼との同居生活はまだまだ終わらない……むしろ、これからが本番のようです……!?



< 53 / 180 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop