御曹司と愛されふたり暮らし
あ、いや、正確にはさっき、ではない。三十分は前だったと思う。
二週間経っても、あの水族館で過ごした時間や、イワシのポストカードがすごくうれしくて、私はつい、デスクでスケジュール帳を広げて、ポストカードを見つめて気持ちを充電していた。
その時に、営業課の先輩に資料のコピーを頼まれ、ついスケジュール帳も一緒に持ってコピー機の前まで行ってしまい、スケジュール帳はコピー機の脇のサイドテーブルに置いて、コピーを始めた。
その後、とりあえずスケジュール帳はそのままにし、先輩にコピーを届けると、その足で、上司から応接室の片付けを頼まれた。
洗い物が多かったため、しばらく席を外していた。
そして、事務室に戻ると、コピー機横のサイドテーブルから私のスケジュール帳が消えていたというわけだった。
誰も私のスケジュール帳なんて盗むわけはないから、ただなくなっているだけならまだ落ち着いていられる。
こんなに気持ちがザワザワしているのは……サイドテーブルの下にあったはずの古紙類がキレイになくなっているからだ。
「戸山さん、どうしました?」
そう言って、後輩の瑞樹(みずき)ちゃんが声をかけてくれる。
「瑞樹ちゃん。あの、ここにあったスケジュール帳、知らない?」
私がそう尋ねると、瑞樹ちゃんの顔がサッと青くなった。
「も、もしかして戸山さんの普段使っているものでしたか⁉︎ わ、私、この辺にあるものはすべて古紙だと思って、ほかの古紙と一緒にまとめちゃいました……!」
二週間経っても、あの水族館で過ごした時間や、イワシのポストカードがすごくうれしくて、私はつい、デスクでスケジュール帳を広げて、ポストカードを見つめて気持ちを充電していた。
その時に、営業課の先輩に資料のコピーを頼まれ、ついスケジュール帳も一緒に持ってコピー機の前まで行ってしまい、スケジュール帳はコピー機の脇のサイドテーブルに置いて、コピーを始めた。
その後、とりあえずスケジュール帳はそのままにし、先輩にコピーを届けると、その足で、上司から応接室の片付けを頼まれた。
洗い物が多かったため、しばらく席を外していた。
そして、事務室に戻ると、コピー機横のサイドテーブルから私のスケジュール帳が消えていたというわけだった。
誰も私のスケジュール帳なんて盗むわけはないから、ただなくなっているだけならまだ落ち着いていられる。
こんなに気持ちがザワザワしているのは……サイドテーブルの下にあったはずの古紙類がキレイになくなっているからだ。
「戸山さん、どうしました?」
そう言って、後輩の瑞樹(みずき)ちゃんが声をかけてくれる。
「瑞樹ちゃん。あの、ここにあったスケジュール帳、知らない?」
私がそう尋ねると、瑞樹ちゃんの顔がサッと青くなった。
「も、もしかして戸山さんの普段使っているものでしたか⁉︎ わ、私、この辺にあるものはすべて古紙だと思って、ほかの古紙と一緒にまとめちゃいました……!」