御曹司と愛されふたり暮らし
「いや、まさかこんな場所で花菜に再会するなんてな」
店員さんが持ってきたばかりのビールジョッキを片手に、ハルくんが正面で呟くように言う。ハルくんは私ほどわかりやすく動揺はしていないけれど、それでもやっぱり驚いている様子だ。そりゃそうだよね、小学校を卒業してから一回も会っていなかったし。私は卒業式も出ていなかったし。
「元気だった? 今なにしてんの?
ハルくんがやさしくほほえみながら、私にそう尋ねてくる。
その笑顔にうっかりドキッとしてしまい、私は「ふ、普通の会社員……」と答えるのが精いっぱいだった。
ハルくんとは、昔は普通に話せてた。ハルくんは、ほかの男子たちとは違った。
だけど、昔のハルくんと今のハルくんは違いすぎて。
いや、確かにハルくんは昔もカッコよかったし、やさしい笑顔も昔のままだ。きっとハルくん自身は昔からなにも変わっていない。
だけど、カッコよくなりすぎてて!! 反則なくらいカッコいいんだもん!!
こんなにカッコよくなってる初恋の人とある日突然再会したら、誰だって意識して話せなくなるよね!? 私が特別おかしいわけじゃないよね!?
それになんか……い、色気もあるというか……!
とにかく、意識してしまって、私は彼ともうまく話せない。
それに。
「矢上くーん、連絡先教えてー!」
「ズルーい! 私もー!」
ほかの女の子たちもみんなハルくんと話したいみたいだ。元クラスメイトだからって、私が彼を独占したらダメだよね。
「なんだよ、女はみんな矢上狙いかよー。まぁそうだよなー。じゃあ俺はやっぱ花菜ちゃんと話そーっと!」
そう言って、さっきの茶髪ピアスの男性がまた私の隣に座る。
「え、あっ、すみません、お手洗いに!」
私はそう言って、逃げ出すように部屋から飛び出してしまった。
その後、頃合いを見計らって部屋まで戻った時には、私はさっきまでの自分の席ではなく、女友だちの隣へとさりげなく座った。
そしてそのまま、友だちの陰に隠れるようにしてちまちまとお酒を飲みながら、時間が過ぎるのをただひたすら待った。
その間、ハルくんはみんなに捕まっていて、彼とそれ以上会話をすることはないまま、合コンはお開きとなった。
店員さんが持ってきたばかりのビールジョッキを片手に、ハルくんが正面で呟くように言う。ハルくんは私ほどわかりやすく動揺はしていないけれど、それでもやっぱり驚いている様子だ。そりゃそうだよね、小学校を卒業してから一回も会っていなかったし。私は卒業式も出ていなかったし。
「元気だった? 今なにしてんの?
ハルくんがやさしくほほえみながら、私にそう尋ねてくる。
その笑顔にうっかりドキッとしてしまい、私は「ふ、普通の会社員……」と答えるのが精いっぱいだった。
ハルくんとは、昔は普通に話せてた。ハルくんは、ほかの男子たちとは違った。
だけど、昔のハルくんと今のハルくんは違いすぎて。
いや、確かにハルくんは昔もカッコよかったし、やさしい笑顔も昔のままだ。きっとハルくん自身は昔からなにも変わっていない。
だけど、カッコよくなりすぎてて!! 反則なくらいカッコいいんだもん!!
こんなにカッコよくなってる初恋の人とある日突然再会したら、誰だって意識して話せなくなるよね!? 私が特別おかしいわけじゃないよね!?
それになんか……い、色気もあるというか……!
とにかく、意識してしまって、私は彼ともうまく話せない。
それに。
「矢上くーん、連絡先教えてー!」
「ズルーい! 私もー!」
ほかの女の子たちもみんなハルくんと話したいみたいだ。元クラスメイトだからって、私が彼を独占したらダメだよね。
「なんだよ、女はみんな矢上狙いかよー。まぁそうだよなー。じゃあ俺はやっぱ花菜ちゃんと話そーっと!」
そう言って、さっきの茶髪ピアスの男性がまた私の隣に座る。
「え、あっ、すみません、お手洗いに!」
私はそう言って、逃げ出すように部屋から飛び出してしまった。
その後、頃合いを見計らって部屋まで戻った時には、私はさっきまでの自分の席ではなく、女友だちの隣へとさりげなく座った。
そしてそのまま、友だちの陰に隠れるようにしてちまちまとお酒を飲みながら、時間が過ぎるのをただひたすら待った。
その間、ハルくんはみんなに捕まっていて、彼とそれ以上会話をすることはないまま、合コンはお開きとなった。