御曹司と愛されふたり暮らし
不安→この気持ちは、多分。
天気の良い、ある日の朝。
スーツに着替えた彼が、「おはよう」と言って、私のいるダイニングにやってくる。
「おはよう、ハルくん。朝ご飯出来てるよ」
私はいつも通り、ダイニングテーブルに朝食を並べながらそう言う。白いご飯に、お味噌汁に、ちょっとした付け合わせという、大した朝食じゃなくて申しわけないけど。
でも、こんな朝食でも、ハルくんはいつも「ありがとう」って言ってくれるんだ。
「花菜、いつもありがとう」
……ほらね。
ーー水族館で買ったお揃いのポストカードを私がなくし、ベランダで話したあの日から、二週間が経った。
あれから私たちの関係に変化は……ない。
今まで通り、普通のルームメイトであり、元クラスメイト。
あの日キスしそうになった時のことを話すこともない。
ハルくんからはなにも言ってこないし、もちろん、私から話しだすこともできないし。
あの時のことについて、聞いてみたい気持ちがないって言ったらウソになる。
私はハルくんのことが気になっているから。ハルくんももしかして少しでも私のこと……って考えたら、あの時なんでキスしようとしたの?って聞いてみたい。
だけど、それで私たちの関係がギクシャクしてしまったらどうしようって。
せっかくまた仲良くなれたのに、一緒に暮らしていて毎日が楽しいのに、キスについて触れたら、それが崩れてしまうんじゃないかっていう不安がある。
だから、聞けないでいる。
……それでいいのかもしれない。
ハルくんはいい加減な人じゃないって思っているけど、なんの意味もないキスなわけがないとも言い切れないのかもーー……。
相手は顔も性格も地位も、その他もろもろなんだってできてしまう極上な男性だ。
なにもかも平凡な、ただのOLの私なんかを好きになるわけーー……。
スーツに着替えた彼が、「おはよう」と言って、私のいるダイニングにやってくる。
「おはよう、ハルくん。朝ご飯出来てるよ」
私はいつも通り、ダイニングテーブルに朝食を並べながらそう言う。白いご飯に、お味噌汁に、ちょっとした付け合わせという、大した朝食じゃなくて申しわけないけど。
でも、こんな朝食でも、ハルくんはいつも「ありがとう」って言ってくれるんだ。
「花菜、いつもありがとう」
……ほらね。
ーー水族館で買ったお揃いのポストカードを私がなくし、ベランダで話したあの日から、二週間が経った。
あれから私たちの関係に変化は……ない。
今まで通り、普通のルームメイトであり、元クラスメイト。
あの日キスしそうになった時のことを話すこともない。
ハルくんからはなにも言ってこないし、もちろん、私から話しだすこともできないし。
あの時のことについて、聞いてみたい気持ちがないって言ったらウソになる。
私はハルくんのことが気になっているから。ハルくんももしかして少しでも私のこと……って考えたら、あの時なんでキスしようとしたの?って聞いてみたい。
だけど、それで私たちの関係がギクシャクしてしまったらどうしようって。
せっかくまた仲良くなれたのに、一緒に暮らしていて毎日が楽しいのに、キスについて触れたら、それが崩れてしまうんじゃないかっていう不安がある。
だから、聞けないでいる。
……それでいいのかもしれない。
ハルくんはいい加減な人じゃないって思っているけど、なんの意味もないキスなわけがないとも言い切れないのかもーー……。
相手は顔も性格も地位も、その他もろもろなんだってできてしまう極上な男性だ。
なにもかも平凡な、ただのOLの私なんかを好きになるわけーー……。