猫な私の甘い恋
電話が私を呼んだ。

お母さんは仕事へ行っていて家に居るのは私だけ。重たい足をなんとか上げて歩く。

「もしもし。どちら様でしょうか。」

丁寧な言葉を並べる。

「はい。こちら色波さん家で合っていますでしょうか。」

聞いたことのある声だった。

「? はい。合っていますが貴方はどちら様でしょうか。」

「はい。こちら架黒です。」

「架黒…って誰でしたっけ。」

「おい。」

「………。」

やだ怖い。

「俺だよ。俺。」

「あの、警察呼んでもいいですか?」

これ明らかに俺俺詐欺だよね。
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