猫な私の甘い恋
「え、ちが──」

「いいよ。」

私は彪の言葉を遮(サエギ)って言った。

「もう、彪と話したくない。」

「え……。」

悲しそうな発音だった。

「じゃ、帰るね。」

再びドアノブに手をかける。もう彪は邪魔してこなかった。


俺は何をしていたんだろう。気が付けば麗は部屋にいなかった。

「う、らら。」

大切なものをなくしてしまった気がした。

「俺は何してんだよ。」

好き。その気持ちがエスカレートした。

「あぁ。」
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