猫な私の甘い恋
力が抜けてその場にしゃがみ込む。

「駄目だなぁ。」

でも麗が嫌だって言うなら俺が麗の家に突っ込む権利はない。俺はあるのかないのかも分からない正解を探し始めるのだった。


私は家に着くなり泣いていた。理由は分からない。どうしてか、涙が出てきた。

「うぅ……。」

何故か辛かった。

私がどうして彪と距離を取ったのか。それは颯さんとちゃんと向き合いたいと思ったから。彪という邪魔なものを忘れようと思ったから。

「ど……して涙…が。」

止まってほしいと思っても涙は溢れ出てくる。

や、だ。

これじゃあまるで彪と別れたくなかったみたいじゃん。

こんなこと忘れよう。

私は頭を左右に振る。
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