猫な私の甘い恋
「メンタル弱い…の?」

せっかく私が貴方様の話に乗ってやったというのになんでまた話が戻るの?

「いやいやそんなわけないじゃないですか。」

颯さんは私をけなしてくるから言いたくない。

それから私達は水族館の水槽に飼育されている深海の生物や群れで生きる魚たち。いろいろなジャンルの生き物を見学した。見れば見るほどなんだか心が穏やかになり、時々こういうのに来るのもいいなと思った。

「ねぇ麗さん、イルカショー見に行かない?」

「イルカショーですか。いいですね!行きましょう!」

水族館へ来て私達の仲は良くなったと思う。沢山の男女がいる中、手をつないで歩いたり、売店を見つけるとアイスを買って1つを一緒に食べたり。楽しい……楽しい…筈なのに。『楽しい』っていう気持ちがなんか変。友達と遊びに来ているような、そんな感覚。颯さんは『彼氏』なのに。私は『彼女』なのに。心が楽しんでない。どうしてなのかな。

「麗さん?早く行こう?」

ボーッとしている私に心配そうに話しかけてくれる颯さん。なんで、こんなに感情が揺れてるの?
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