猫な私の甘い恋
「俺の申し出を断るとはいい度胸じゃねぇか。なあ、お嬢ちゃん。」

ぞわっとした。

ヤ、ヤバい。早く、逃げないと。

再び歩こうとしたがびくともしない。

「やめて下さい!」

そんなことを言い返すと何かを口に当てられた。と同時にクラッとした。足がよろけた。

「あ、れ……」

その後、身体の力が抜けて目の前が真っ暗になって、そして、そして──


目を擦りながら身体を起こす。

ん、ここ何処?

未だにボーッとしている頭の記憶を手繰り寄せてようやく、此処が……

「やっぱ分かんないや。」

途中で思考回路を止めた。考えるのが面倒になった。私はとりあえず家に帰るべく、歩き始めた。
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