猫な私の甘い恋
「言っただろ。前。『命賭けても守る』って。おい忘れたんじゃないだろうな?」

そう言って顔を上げる。間近の彪の顔にドキドキする。

わ、忘れてないけど…忘れてないけどさ。なんで?本当にそうするつもりだったの?

「彪、本当に私のこと、好き…なの?」

「おう。」

言葉が返ってくる。その言葉が嬉しいと思えるようになっていた。

「わ、私が彪のこと、好きって言ったら?」

「もうここでキスする。」

え、なんでそんなに大胆なの。でも、いいかな。キス。もういいの。自覚した。もう自分に嘘を吐かない。颯さんには悪いけど、私は彪が好きなんだ。

「ひ、彪?」

「なんだ?」

私をぬいぐるみのように抱きしめながら聞く。

「す、好き……だよ。」

「は?」
< 152 / 156 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop