猫な私の甘い恋
「帰すわけないよ?」

「え、いや帰りますよ?」

そう言い、彪の手をほどこうとするがその手は放れなかった。

「ちょっと!手、離して!」

「麗が一緒に行くって言うなら良いよ。」

相変わらずのおとっりとした口調で彪が言う。

コイツ優しくなんかないからね!?みんな彪の裏に惑わされちゃ駄目だからね!

そんな私達を横から見守る男子が私に話しかけてきた。すると彪は私から手を離しその男子を睨んで他へ駆けていった。

「初めましてだね?麗さん。」

うわ…優しそう。(彪と違って)

少し茶色い髪に穏やかな目をした男子はまさにおとぎ話に出てくる王子様ような外見だった。

彪みたいにモテてるのかな?

「はい。初めましてです。えと…」

「あ、僕の名前は 一 颯(にのまえ そう)だよ。よろしくね。」
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