猫な私の甘い恋
そう言って彪の手を取る。彪は恥ずかしそうに顔を赤くした。

「ずるいぞ。それ。」

と、私に向けて言う。

「え~?何が?」

私は鈍感のように言い返してやった。

しばらくの沈黙。どうにかしてくれません?

バサバサッ。

何かが飛び立った音のおかげでその沈黙は破られた。

「ひゃっ。」

思わず彪の後ろに隠れてしまった。

「な、なんだよ。」

動揺したように彪が声を上げた。

「ご、ごめん。」

サッと離れる。コウモリだった。

あ~っと紐ある場所遠くない?

バサバサバサバサッ。
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