猫な私の甘い恋
「ひゃっ!もう嫌だぁ~。」

1人悲鳴を上げている私の手を彪が優しく包み込んでくれた。

「……え?」

私は状況がよく分からず問いてしまった。

「こうしてたら怖くないだろ。」

「……そうだね。」

温かかった。彪の温もりが伝わった気がした。

優しいんだな。本当は。

「俺、麗の為なら命かけてやってもいいから。これ本気だからな。」

そんなこと言わないでよ。恥ずかしいじゃん。

私達はそのまま歩を進めた。

「おっ。あったあった。」

しばらくすると彪が置いたという紐の前まで来た。まだ何本か残っている中の1本を手にし、来た道をまた歩き始める。

コウモリまた出る~!もう嫌!……でも彪がいるなら大丈夫な気がする。
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