猫な私の甘い恋
しばらく金魚に苦戦してやっとのことで…彪が捕った。

「うい。やる。」

私の手のひらに金魚の入った袋を乗せる。

「あ、ありがと。」

ちょっと赤面。お礼なんか言うんじゃなかった。

そして捕れなかった颯さんはというと、なんか色々と終わった顔をしていました。どうしたのでしょう。まぁそっとしておこう。

「あぁ僕は色々と終わった人間だなー。」

悲しいこと言わないでください。

「そんなことないですよ!格好いいですし、頭も良いんですから!」

多分。

「うん…。うん!そうだよね!僕もいいところあるもんね!」

さっきまでの落ち込みは何処へいったのやら。ガッツポーズをし、輝きを放つ颯さんがいた。

あぁいるよね。こういう面倒くさい人。
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