猫な私の甘い恋
「早く立てよ。」

そう言って手を差し出してきた。

「私、1人で立てますから。」

拒否してやった。あんたの手触ると私が汚れちゃうでしょ。ヤダ。

「そうか。」

スッと立つ私をよそに自分の手を見つめる彪。何あれキモイ。

隣合わせで歩き始めた。幸いここは人があまり通らないので彪は表バージョン。表の方が話しやすいからいいや。

「なっ、麗の家は何処にあるんだ?」

興味津々。絶対教えないから。教えたらお前勝手に来るもんな。

「教えませ~ん。」

「うわー麗んち行きたかったな~。」

本音出てるよ?

「だろうと思った。分かりやすいなぁ彪は。」

「ん?」

……天然かな?
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