猫な私の甘い恋
切りそろえられた肩までの黒髪、少し茶色の瞳は落ち着いたオーラを放っていた。

「ちなみに俺の幼なじみ。」

佳奈さんの自己紹介が終わった後に彪がそう言葉を付け足した。

「あー…。」

なんか佳奈さん可哀想。あ、だから表バージョンで接してたのか。幼なじみなら分かるもんね。

私は佳奈さんに改めて挨拶をする為、席を立って近くまで歩く。

「一緒に副会長、よろしくお願いします。」

「うん。よろしくね。分からないところがあったら私に言ってね。」

微笑みながら佳奈さんは私に優しく接してくれた。

え、笑顔が可愛い…。

私が佳奈さんの笑顔に見とれていると──

「何ボーッとしてんだよ。」

彪に指摘(シテキ)された。
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